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◆今回の注目記事(NEJM)
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【血糖コントロールの強化の行方】
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NEJMに血糖コントロールの強化療法を評価した2つの大規模のランダム化比較試験、
ACOORDとADCANCEの成績が掲載されています。
↓アブストラクト
ACCORD
http://content.nejm.org/cgi/content/short/358/24/2545
ADVANCE
http://content.nejm.org/cgi/content/short/358/24/2560
ACCORD試験は、2型糖尿病患者10251 名を
強化療法(HbA1cの目標値6.0%未満)と標準治療(HbA1cの目標値7.0〜7.9%)
の2群にランダム化し、比較したものです。
その結果、平均 3.5 年の追跡調査後の時点で、
強化療法群のほうが死亡率が高く、試験は途中で中止されました。
また、プライマリーエンドポイントであった心血管イベントでも
有意な減少は認められませんでした。
ADVANCE試験は、2 型糖尿病患者 11140 名を
強化療法(HbA1cの目標値6.5%未満)と
標準治療(HbA1cの目標値はローカルガイドラインに従う)
の2群にランダム化し、比較したものです。
その結果、強化療法群は、HbA1cの目標値 6.5%まで低下し、
主要大血管イベントと主要細小血管イベントの複合イベントについて
10%の相対的低下がみられました。
また、強化療法群では、細小血管イベントの発生率も低下しました。
細小血管イベントの低下は、主に腎症の発生率の低下によるものでした。
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ACOORD試験とADCANCE試験。
対照的な結果が得られました。
ACCORD試験は、強化療法群のほうが死亡率が高いことで試験が中断された
ということで、少し前にかなり話題になっていたので、ご存知の方も多いと思います。
確か、ACCORD試験の中止が公表された後のJAMAのニュースにも、
ACOORD試験とADCANCE試験の対比の記事が掲載されていたと思いますが、
この号のNEJMのエディトリアルでも、
Intensive Glycemic Control in the ACCORD and ADVANCE Trials
とのタイトルで、2つの試験を比較し、結果の食い違いについて考察されています。
その中で、注目すべき2つの試験の違いとしては、以下のもがあげられています。
【血糖降下薬の使用状況】
ACCORD試験では、ターゲットとなる血糖コントロールを維持するために
血糖降下剤の使用に制限はないが、ADVANCE試験では、
強化療法群はSU剤のグリクラジド(放出調整製剤)のの使用が必須とされていること。
チアゾリジン薬のロジグリタゾンの使用は、
ADVANCE試験では20%未満であったのに対して、ACCORD試験では、
強化療法群の90%、標準療法群の58%であったこと。
【血糖コントロール以外の心血管リスク因子のコントロール】
ADVANCE試験では十分にコントロールされているとは言えず
わずか半分の患者しかアスピリンあるいはスタチンを服薬していなが、
ACCORD試験では、アスピリンの服用率75%、スタチンの服用率88%
と服用率が効率であったこと。
また、エディトリアルの著者は、
この2つの大規模試験から得られた最も重要なメッセージは
「追跡期間の中央値 3.5〜5年間では、
強化療法で血糖コントロールをノーマルに近づけても
心血管イベントは減少しない」
であると述べています。
ただし、ADVANCE試験では、糖尿病腎症の発症が抑えられています。
そして、ACCORD試験の厄介な成績、
血糖強化療法(チアゾリジン薬、SU剤、メトホルミン、インスリンの高頻度の併用)
によって、有意に全死亡あるいは心血管由来の死亡を増加したことですが、
著者は、この予期しない過度の死亡に興味を示しています。
次号で、この続きを紹介します。
ご意見はこちらまで↓
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◆あとがき
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ACCORD試験の成績はインパクトがありましたので
詳しく紹介していきたいと思います。
2008年06月18日 生活習慣病 トラックバック:- コメント:34
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◆今回の注目記事(NEJM)
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【レニン阻害薬アリスキレンの腎保護作用】
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腎症を伴う 2 型糖尿病の患者に対するレニン阻害薬アリスキレンの
腎保護作用を評価したRCTの成績が報告されています。
↓アブストラクト
http://content.nejm.org/cgi/content/short/358/23/2433
本試験では、599 名を対象とし、アリスキレンとプラセボを比較しています。
プライマリーエンドポイントは、6ヶ月の尿中アルブミン・クレアチニン比の低下です。
また、この試験では、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系に対する
”デュアル”の抑制効果を評価することを目的としており、対象患者には
ランダム化前3ヶ月から試験期間を通じてARBのロサルタンが投与されました。
結果、アリスキレン群はプラセボ群と比較して、
尿中アルブミン・クレアチニン比が 20%低下しました
(95%信頼区間 9〜30、P<0.001)
また、50%以上の低下が認められた患者の割合は、
アリスキレン群では 24.7%、プラセボ群では 12.5%と
有意な差が見られました(P<0.001)。
一方、血圧はアリスキレン群で低い傾向が認められましたが
その差は僅かなものでした。
以上から、アリスキレンはARBへの上乗せの腎保護作用があり、
その作用は降圧作用とは独立している可能性が示唆されました。
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新規の降圧薬としては、およそ10年ぶりともなるアリスキレン。
(日本ではまだ承認されていませんが・・)
ただ、新規とは言いながらも、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系を
ターゲットとした薬剤です。
このため、腎症を伴う 2 型糖尿病の患者に対する第一選択薬である
ACE阻害薬やARBとの併用効果は果たして期待できるのかといったことが、
必然的に注目の的となります。
この論文に対するエディトリアルでは、アリスキレンによるデュアルな治療法
の有用性についてまとめられています。
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◆あとがき
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今年は梅雨が長いのでしょうか。
2008年06月06日 その他 トラックバック:- コメント:0
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◆今回の注目記事(LANCET)
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【早期からの強化インスリン療法】
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新規2型糖尿病患者に対する短期間の強化インスリン療法と
経口血糖降下剤の効果を比較した試験の成績が報告されています。
↓アブストラクト
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS014067360860762X/abstract
この試験では、新規に糖尿病患者と診断された382名を対象に、
インスリン皮下持続注入(CSII)、インスリン頻回注射、経口糖尿病薬の
糖尿病の寛解割合とβ細胞機能を比較しました。
結果、新規の糖尿病患者に対する早期の強化インスリン療法は
経口血糖硬化剤と比べて、β細胞機能や血糖の寛解期間を
維持することが示されました。
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この試験の結果のポイントは、血糖コントロールが同程度にもかかわらず、
経口糖尿病薬に比べて、強化インスリン療法の方が良好なアウトカムが
得られたことです。
この理由について著者は、早期のインスリン治療は、糖尿病悪化の引き金となる
不可逆的なβ細胞の損失を防ぐのではないかと考察しています。
また、他には、インスリンの抗炎症作用や抗アポトーシス作用、
GIP(glucose-dependent insulinotropic peptide)の正常化作用
が関与している可能性について触れています。
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◆あとがき
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このところ忙しくて、あまり時間がとれませんが、
少しずつでもクリニカル・アドバンスを継続して行きたいと思います。
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2008年06月04日 生活習慣病 トラックバック:- コメント:0
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◆今回の注目記事(番外)
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【第21号 ALS】
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今回は一流医学誌の記事ではなく、
最近読んだ本を紹介します。
紹介する本は
調べる技術・書く技術 (講談社現代新書 1940) (講談社現代新書 1940)野村 進
です。
本書は、ノンフィクション・ライター向けの本で、医学関連の本ではありませんが、
その中で、医学をテーマとして取り扱ったエッセイが紹介されています。
第8章 体験を書く
の中で紹介されている「体験エッセイ」で、テーマは
「難病の病棟で垣間見た患者さんとナース、それぞれが後越える”葛藤”」
というものです。
これは著者が入院患者の大半が難病の「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」である病棟で
ナースと同行した体験を書いたものです。
ALSと言えば、物理学者のホーキンス博士を思い浮かべる方も多いと思います。
ご存知のようにALSは、重篤な筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患で、
進行すると呼吸筋麻痺により死亡します。
ALSでは運動神経のみが侵され、感覚神経や自律神経などの他の神経は侵されません。
つまり疾患が進行しても意識は明確です。
これまでALSに触れる機会がなかったのですが、このエッセイによって
はじめてALSの苦しさやサポートする看護師の過酷さというものに触れる
ことが出来ました。そして短い文章ですが泣ける構成でした。
心に残った箇所をいくつか抜粋しますと
・1日のナースコールは多いときには六千回
(1人の患者が1日に鳴らすナースコールは平均数百回)
・ALSの患者さんは、体はほとんど動かせなくても頭は非常にクリアなんですね。
ですから、全神経を自分の体に向けています。・・
・ナース・コールが鳴ったとき、・・・
ここでは(話のできない患者さんが多いので)鳴ったら、マイクで言葉をかけず、
すぐ行かなくちゃいけないんです。
・少なからぬ患者さんが自死を考えるという。ところが、
「この病息は、死ぬ選択も許されていないんです」
・「いま一瞬のこの時間、患者さんとの関わりを大切にしていけばいい」
などがあります。
本書を読む前日には、偶然、ALSが登場するドラマを見ていました。
ER緊急救命室XII 〈トゥエルブ〉
の中の「身体と心」 という話で、ALS患者の病態の進行がよく描かれています。
一刻も早く、ALSに有効な治療法が開発されることを
期待したいと思います。
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◆あとがき
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ER 緊急救命室は、DVDでこれまでファーストシーズンから見続けていますが、
私にとっては単なる娯楽としてだけでなく、医療・英語のヒアリングの教材
として重宝しています。
1話が45分程度なので、毎夜、息抜きがてら1話ずつ見ていたのですが、
いつの間にか12シーズンの途中まで見終わりました。
病み付きになるドラマです。
見たことがないという方は、
まずはファーストシーズンをお薦めします。
ER 緊急救命室 I ― ファースト・シーズン アンコール DVD コレクターズ・セット
ちなみに、まだヒットする前のジョージ・クルーニーが、
中心人物として登場しています。
10年以上も前とあって、とても若いです。
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2008年05月27日 難病 トラックバック:- コメント:0
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◆今回の注目記事(NEJM)
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【第20号 喫煙のネットワーク】
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喫煙行動の社会的ネットワークを評価した研究が報告されています。
↓アブストラクト
http://content.nejm.org/cgi/content/short/358/21/2249
1971〜2003 年のフラミンガム心臓研究(Framingham Heart Study)の中の
12,067 人のデータを用いた解析です。
その結果、ネットワーク内に喫煙者と非喫煙者のクラスターが存在することがわかりました。
また、全体として喫煙が減少しましたが、喫煙者のクラスターの規模に変化はみらず
全体として禁煙が進んだこと考えられました。
禁煙行動の喫煙率への影響の程度は、
配偶者の禁煙:67%低下(95%信頼区間59-73)
友人の禁煙 :36%低下(95%信頼区間12-55)
兄弟の禁煙 :25%低下(95%信頼区間14-35)
同僚の禁煙 :34%低下(95% 信頼区間 5-56)
でした。
また、高学歴の友人同士では低学歴の友人同士に比べて互いに与える影響が大きく、
地理的に近接する隣人同士はこのような影響は観察されませんでした。
このように、禁煙行動は個人が孤立して行われるものでなく、
直接あるいは間接的に属しているグループの影響によるものであると考えられました。
その他、喫煙を続けている人は、ネットワークの末端に追いやられ、
1971年から2003年にかけては喫煙者と非喫煙者のネットワークがより
二極化していることが示されました。
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著者らは、禁煙を成し遂げれるかどうかは、1つだけでなく、2つ以上の喫煙に関する
コンタクトを立つかどうかによると述べています。
つまり、職場だけ、あるいは家庭だけで禁煙行動をとっていたとしても
他のつながりの中で喫煙者がいたとすると、禁煙を成し遂げる確立が低くなる
ということです。
喫煙者で禁煙を試みたことがある方、
実感はありますでしょうか。
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◆あとがき
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週末、
調べる技術・書く技術 (講談社現代新書 1940) (講談社現代新書 1940)野村 進
を読みました。
本書はノンフィクション・ライター向けの本ではありますが、
文章を書く、何らかの調査をする、人と会う、といった仕事に関わる人であれば
誰でも興味深く読むことができるのではないかと思います。
少なくとも私にとっては、とても得るものが多い本でした。
例えば、人と会うときには
・なぜ会いたいのか
・何を知りたいのか
このことを常に念頭に置きながら質問を思いつくままに
箇条書きし、会う準備をする。
これはライターの取材だけでなくても、
あらゆるビジネスで取引先とコンタクトする際の常識だとは思います。
しかし、恥ずかしながら私自身を振り返ってみると
最近手を抜いているところがあります。
これを機に初心に戻ろうかと思います。
本書には、クリニカル・アドバンスの読者にとって興味があると思われる
医学関連の内容も掲載されていました。
興味深いので、次回の配信で取り上げたいと思います。
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2008年05月26日 喫煙 トラックバック:- コメント:0
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